2025年10月28日現在の推移状況のお知らせと今後の可能性をお伝えします。この情報は、日本のどの領域でリスクが高まっている可能性があるのかを記述しています(初見の方はこちらを参照)。
最新の地震活動の状態
前週の後半あたりから少し規模の大きめの地震が相次いで発生しました。10月21日には福井県嶺南でM5.1の中規模程度の地震が発生し、震度分布を見て、震源から500km程度離れた福島や茨城で震度1を観測したことに、「これは異常ではないか?」と思っている方もいると思いますが、これは深発地震で見られる「異常震域」と呼ばれる現象です(因みに「異常震域」と呼んでいるのは、震源に近い場所よりも遠く離れた場所の方が強く揺れる通常とは異なる震度分布をしていることから、「異常」と呼んでいるだけですので、特別異常な地震が起きたというわけではありません)。
栃木県と静岡県に気になる活動が確認されています。
【千島海溝沿いの領域について】5月下旬頃から北海道沖~千島列島沖にかけての千島海溝沿いにおける地震活動が活発化していました。7月20日頃に本震の震源付近でM7.4の前震を始め、最大M6クラスの前駆地震と思われる活動が相次ぎ、最終的に7月30日に海溝沿いの北東端にあたるカムチャツカ沖でM8.8の超巨大地震に発展しました。現在は通常の推移に戻ったと判断しましたが、この海溝沿いでは、暫く静穏期間で、大地震が続発する活動期に突入した可能性があるため注意が必要です。
10月25日午前1時40分頃に根室半島南東沖で5.8の規模の大きめな地震が発生しました。震源の位置やメカニズムからは個人的には北米プレートと太平洋プレートの境界付近で発生した典型的なプレート間地震と考えています。特に異常に活発化しているわけではなく、その後も通常通りの推移となっていますが、根室沖のプレートの境界付近では少し活発化傾向になっている様子が見受けられます。以下で説明しているように千島海溝沿いでは大地震が続発する活動期に突入した可能性があるので、今後も注意が必要です。
【三陸沖(アウターライズ)領域について】9月24日頃から三陸沖のアウターライズ領域では異常な地震活動が見られていましたが、現在は通常の推移に戻っています。ただ、異例の推移だったので、今後の活動推移に注意して下さい。
【栃木県と群馬県の県境付近の領域について】10月26日の12時4分に栃木県北部でM4.7の地震以降、地震活動が活発化傾向となっています。地震のメカニズムや震源の位置から「内ノ籠断層」の一部が活動した地震であった可能性があります。実際にこの活断層沿いに沿って活発化が確認されていますので、暫くの間は注意が必要です(以下で詳細解説)。
【静岡県西部の領域について】10月23日頃から静岡県の浜松市付近で、微小地震の活発化を確認しました。
【南海トラフの領域について】9月末から南海トラフの一部で活発化し始めていると思われましたが、現在は通常通りになっています。
【トカラ列島近の領域について】6月~7月に群発地震が発生以降も、平常時よりも地震活動が活発化していて、9月17日は活発化している領域の少し北東側の領域で震度5弱を観測するM4.7の地震が発生しました。現在も中・長期的に見ても明らかに活発化していることは特に変わっていません。
| 北海道沖(千島海溝の領域とその周辺) |
現在はカムチャツカ地震の影響として、通常の推移に戻ったと判断しました。ただ、「前兆と疑われる現象が複数」「推移を見ても7月30日のカムチャツカ地震(M8.8)の地震による間接的に影響も受けている可能性がある」ことや、さらに1600年代初頭に発生したようなM9程度の超巨大地震を引き起こす可能性のある時期に入っている領域でもあるため、しばらくは中・長期的な意味で危険度の高い領域と評価しています。今後は規模の大きめの地震が相次ぐ時期になってきていると考えられます。 |
| 渡島地方の領域 | 渡島地方東部の領域では収束傾向と思われていましたが、活発化状態が継続していると判断しました。 |
| 宮城・福島県のはるか沖(アウターライズ) | 収束しましたが、9月24日~10月中旬頃まで異常活発して活動域の拡大も見られ、2011年東北地方太平洋沖地震発生以降は発生リスクが高くなっているため、しばらくは危険度の高い領域として評価。2012年スマトラ島沖地震(Mw8.6)のような前兆的な活動である可能性も想定しています。 |
| 宮城県・福島県沖の領域 | 特に変化はありませんでしたが、依然活発化状態です。 |
| 福島県会津(群馬県寄り) | 特に変化はありません。 |
| 栃木県と群馬県の県境付近の領域 | 10月26日の正午の地震以降、急活発しています。 |
| 房総半島の南東沖 | 9月下旬から活発となっていた領域は減少傾向ですが、依然として活発化状態です。 |
| 神奈川県の領域 | 特に異常はありません。しかし、箱根山付近では中・長期的に活発化状態です。 |
| 伊豆大島近海 | 特に変化はありませんが、5月頃から活発化状態が継続中です。 |
| 石川県西方沖及び能登半島地震の震源域 | 能登半島地震後は減少しているものの、依然として活発化状態です。現在は減少傾向となっています。 |
| 岐阜県飛騨と長野の県境付近 | 特に変化はありませんが、現在も活発化状態です。 |
| 静岡県西部 | 10月23日頃から活発化している状態です。 |
| 島根県東部 | 特に異常はありませんが、活発化している領域があります。 |
| 山口県北部 | 2月下旬頃から活発化しています。暫く静穏状態でしたが、再び活発化傾向となっています。 |
| 日向灘 | 長期的に活発期になっています。8月中旬以降さらなる活発化状態が継続しています。 |
| 熊本県球磨地方 | 解析を行った結果、2025年夏頃からやや活発化傾向になっていることが分かりました。 |
| トカラ列島近海 | 依然として活発化している状態です。 |
| 奄美大島近海 | 中・長期的に上昇傾向だったのが、最近は急激な低下傾向となっています。 |
| 沖縄本島の北西側の沖 | 収束しました。 |
地図
北海道


5月下旬あたりから中規模程度以上の地震が相次いで発生していて、長期的に気になる活動が継続していて、カムチャツカ地震(M8.8)以降さらに影響を与えたと思われる活動推移となっていましたが、現在は通常の推移に戻ったと判断しました。なので、現在は問題はないとは思いますが、突発的に起きる可能性もあるので、注意が必要です。
10月25日午前1時40分頃に根室半島南東沖で中規模地震が発生し、北海道の根室市で震度5弱の強い揺れを観測しましたが、その後の推移では、ただちに被害を伴う大地震に結び付くと思われる異常はありません。ただ、繰り返しになりますが、千島海溝沿いでは活動期に突入し始めた可能性があるので、このような規模の地震は2010年代よりも多く発生すると見込まれます。
渡島地方の領域における地震活動の活発化は継続中です。
東北

東北沖の活動は現在、減少傾向となっていて、通常通りの活動となっています。
9月24日頃から三陸沖のアウターライズ領域で地震活動が顕著に活発化していましたが、収束していますので、警戒レベルを引き下げました。ただ、この領域で規模の大きめの地震が多発する事例は、2011年東北地方太平洋沖地震発生後の年を除いてなく、2012年スマトラ島沖地震のように、前兆的な地震が発生して暫く期間を空けてから大地震に発展する可能性もあるので、異常活発していたということは注視しなければなりません。
関東

栃木県と群馬県の県境付近で地震活動が活発化しています 。
千葉県南東沖の太平洋プレート内部と思われる場所で地震活動が活発化状態となっていましたが、現在は減少傾向となっています。現状、収束したとは判断していませんが、次の更新で異常が無ければ収束と判断します。
伊豆諸島北部の活動は中長期的に活発化状態です。
中部北部

特に大きな変化はありませんが、岐阜と長野の県境付近で中長期的に活発化している状態と判断しました。近くには焼岳という火山がありますが、現在のところは火山性ではなく断層由来の地震と判断しています。
長野県寄りの新潟県上越地方では最近長期的には活発化状態となっていますので、推移状況には注意が必要です(恐らく2024年能登半島地震の影響を受けた可能性)。
能登半島地震の震源域とその周辺では、本震発生後も引き続き収束するまでは注意が必要です。
中部南部

静岡県西部で地震活動の活発化を確認しました。現在は減少傾向となっていて、特にただちに大地震に発展する可能性は低いですが、念のため注意が必要です。
【南海トラフ地震(東海地域)について解説情報を参考】ただちに大地震に発展する特別大きな変化はありません。渥美半島周辺から浜名湖周辺にかけての長期的なゆっくりすべりは、すべりの中心が渥美半島周辺から浜名湖周辺に移動しています。
近畿

【南海トラフ地震(東南海地域)について解説情報を参考】ただちに大地震に発展する特別大きな変化はなく、和歌山県南方沖についても活動推移が上昇傾向に転じ始めている様子が見受けられましたが、現在は収束しています。2025年初頭から再びゆっくりすべりが見られています。
中国

山口県北部の領域では、2月以前と比較したら依然として活発化している状態で、15日から再び活発化しました。なお、10月25日には2か月ぶりに50回を超える微小地震を検出していて、収束の判断には時間を要する可能性が高いです。
四国

特に異常はありません。
【南海トラフ地震(南海地域)について解説情報を参考】ただちに大地震に発展する特別な大きな変化はありません。2019年春頃から四国中部で観測されていた通常とは異なる地殻変動は、すでに収束したと見られています。
九州

特に変化はありません。なお、長崎県南西部の領域についても中長期的に活発化していると判断したため、追加しました。
熊本地震以降、日奈久断層帯を中心に活発化していて、特に割れ残りとなっているエリアで長期的には活発化している状態となっています。
他にも日向灘の領域で、去年にM7.1の大地震、今年の1月にもM6.6の地震が発生していて、本格的に長期的な活動期に入ったと推定されます。今後、しばらくの間は長期的な意味で大地震が発生する可能性があるので注意です。
奄美・沖縄

トカラ列島近海では明らかに通常とは異なる活動となっていて、依然として活発化している状態です。
なお、現在は6~7月にかけて発生した群発地震の少し北東側の領域(諏訪之瀬島付近)で地震活動が活発化していますので、注意が必要です。
奄美大島近海で緩やかに上昇傾向だったのが、最近は急激に活動が低下しています。
久米島の近海で発生していた地震活動は収束しました。

