2025年10月12日現在の推移状況のお知らせと今後の可能性をお伝えします。この情報は、日本のどの領域でリスクが高まっている可能性があるのかを記述しています(初見の方はこちらを参照)。
最新の地震活動の状態
【千島海溝沿いの領域について】5月下旬頃から北海道沖~千島列島沖にかけての千島海溝沿いにおける地震活動が活発化していました。7月20日頃に本震の震源付近でM7.4の前震を始め、最大M6クラスの前駆地震と思われる活動が相次ぎ、最終的に7月30日に海溝沿いの北東端にあたるカムチャツカ沖でM8.8の超巨大地震に発展しました。現在は通常の推移に戻ったと判断しましたが、この海溝沿いでは、暫く静穏期間で、大地震が続発する活動期に突入した可能性があるため注意が必要です。
【日本海溝のアウターライズ領域と福島県沖について】福島県沖では9月下旬頃から上昇傾向で、それに呼応するように9月24日頃から三陸沖のアウターライズ領域では異常な地震活動が見られています。規模の大きめの地震も相次いで発生していますので、今後の活動推移に注意して下さい(以下で詳細解説)。
【西日本の領域について】活動推移を見たところ、南海トラフの一部とその周辺で活発に転じるような推移になっている領域があります。
【トカラ列島近の領域について】6月~7月に群発地震が発生以降も、平常時よりも地震活動が活発化していて、9月17日は活発化している領域の少し北東側の領域で震度5弱を観測するM4.7の地震が発生しました。現在も中・長期的に見ても明らかに活発化していることは特に変わっていません。
| 北海道沖(千島海溝の領域とその周辺) |
現在は通常の推移に戻ったと判断しました。ただ、「前兆と疑われる現象が複数」「推移を見ても7月30日のカムチャツカ地震(M8.8)の地震による間接的に影響も受けている可能性がある」ことや、さらに1600年代初頭に発生したようなM9程度の超巨大地震を引き起こす可能性のある時期に入っている領域でもあるため、しばらくは中・長期的な意味で危険度の高い領域と評価します。 |
| 渡島地方の領域 | ※渡島地方東部の領域で上昇傾向です。 |
| 宮城・福島県のはるか沖(アウターライズ) | ※9月24日以降、急上昇中(M4~5程度の地震が複数回発生)。活動域が拡大しています。 |
| 宮城県・福島県沖の領域 | 宮城県沖は特に異常なしですが、福島県沖では9月下旬頃から上昇中です。 |
| 岩手県南部(宮城県寄り) | 静穏状態です。 |
| 福島県会津(群馬県寄り) | 9月頃から上昇傾向です。 |
| 房総半島の南東沖 | ※9月下旬から活動推移が上昇中で、10月3日の地震を境に急上昇している領域があります。 |
| 神奈川県の領域 | 特に異常はありません。しかし、箱根山付近では中・長期的に活発化状態です。 |
| 伊豆大島近海 | 5月頃から活発化状態です。 |
| 石川県西方沖及び能登半島地震の震源域 | 能登半島地震後は減少しているものの、依然として活発化状態です。現在は減少傾向となっています。 |
| 岐阜県飛騨と長野の県境付近 | ※10月頃から急上昇しています。 |
| 伊勢湾 | 上昇?に転じています。 |
| 和歌山県南方沖(南海トラフの震源域の一つ) | 9月30日頃から上昇に転じ始めている様子が見受けられます。 |
| 島根県東部 | 特に異常はありませんが、活発化している領域があります。 |
| 山口県北部 | 2月下旬頃から活発化していたが、現在は静穏状態です。 |
| 日向灘 | 長期的に活発期になっています。8月中旬以降さらなる活発化状態が継続しています。 |
| トカラ列島近海 | 依然として活発化している状態です。 |
| 奄美大島近海 | 特に異常はありませんが、中・長期的に上昇傾向です。 |
地図
北海道


5月下旬あたりから中規模程度以上の地震が相次いで発生していて、長期的に気になる活動が継続していて、カムチャツカ地震(M8.8)以降さらに影響を与えたと思われる活動推移となっていましたが、現在は通常の推移に戻ったと判断しました。なので、現在は問題はないとは思いますが、突発的に起きる可能性もあるので、注意が必要です。
最近、渡島地方の領域で地震活動が上昇傾向となっています。
東北

9月下旬頃から福島県沖を中心に活動推移が上昇傾向となっていて、10月5日にM6.0、10月7日にもM5.0の地震が発生しました。
そしてそれに呼応するかのように、9月24日頃から三陸沖のアウターライズ領域で地震活動が顕著に活発化しています。活動域とその周辺では、M4~5程度の地震が先月24日以降から10回を超えています(※以下で危惧されている地震の解説)
関東

千葉県南東沖の太平洋プレート内部と思われる場所で地震活動が急上昇しています。特に顕著だったのは10月3日頃の活動で、M4.2の地震が発生しました。現状、収束したとは判断していませんので、注意が必要です。
伊豆諸島北部の活動は中長期的に活発化状態です。
中部北部

特に大きな変化はありませんが、岐阜と長野の県境付近で活発化している様子が見受けられます。
長野県寄りの新潟県上越地方では最近長期的には活発化状態となっていますので、推移状況には注意が必要です(恐らく2024年能登半島地震の影響を受けた可能性)。
中部南部

伊勢湾で活動推移が上昇傾向に転じ始めている様子が見受けられます。
近畿

和歌山県南方沖を中心に活動推移が上昇傾向に転じ始めている様子が見受けられます。
中国

特に変化はありません。山口県北部の領域では、2月以前と比較したら依然として活発化している状態です。
九州

特に変化はありません。
熊本地震以降、日奈久断層帯を中心に活発化していて、特に割れ残りとなっているエリアで長期的には活発化している状態となっています。
他にも日向灘の領域で、去年にM7.1の大地震、今年の1月にもM6.6の地震が発生していて、本格的に長期的な活動期に入ったと推定されます。今後、しばらくの間は長期的な意味で大地震が発生する可能性があるので注意です。
奄美・沖縄

トカラ列島近海では明らかに通常とは異なる活動となっていて、依然として活発化している状態です。
なお、現在は6~7月にかけて発生した群発地震の少し北東側の領域(諏訪之瀬島付近)で地震活動が活発化していますので、注意が必要です。
その他の領域も解析を行った結果、奄美大島近海で緩やかに上昇傾向となっていますが、現在のところ異常とは判断していません。
三陸沖のアウターライズ地震について
9月24日頃から宮城県のはるか沖のアウターライズ領域で、地震活動が顕著に活発化していることを受け、ここで取り上げておきたいと思います。その前に、そもそも「アウターライズって何?」「アウターライズ地震って初めて聞いた」という人もいると思うので、解説しておきます。
「アウターライズ」とは、ざっくりというと海側のプレートが沈み込む手前の隆起した地形のことです。
海側のプレートは陸側のプレートの下に沈み込んでいるのですが、海側のプレートが沈み込むためには沈み込む手前で折れ曲がる必要があります。その時少し隆起したような地形が作り出されるのです。その場所をアウターライズと呼んでいます(海溝の外側(outer)、隆起部分(rise)という意味で、「海溝外縁隆起帯」と呼ぶ)。
そして、そこで起きる地震を「アウターライズ地震」と呼びます。
現在東北の沖合では、規模の大きなアウターライズ地震が発生する可能性があると指摘されていて、危険視されているエリアとなっています。その理由として挙げられているのは、2011年に発生したMw9.0-9.1の東北地方太平洋沖地震による影響です。
2011年の地震以前は東北の沖合では、北米プレートの固着によって太平洋プレートの沈み込む速度を遅くするストッパーの役割を果たしていましたが、2011年にプレートの境界で巨大地震が発生したことで、そのストッパーの役割がなくなり、沈み込む速度が上昇したことで、現在のアウターライズでは東西に引っ張られる力が強くなっています。その状態が継続していると普段よりも地震が起きやすくなる状態となっているのです。

実際に最近の巨大地震の履歴からも、以下のようにプレートの境界で発生する巨大地震とアウターライズで発生する巨大地震は、セットで発生していて、比較的短い期間では数か月で、最長だと数十年という期間を空けてから発生していることも分かっています。

そして、「アウターライズ地震」の特徴は、大地震でも陸からかなり離れているため揺れは小さいのですが、大津波発生させる特徴を持つ(特に正断層タイプでは高くなる)ため、「揺れたら逃げる」は通用しません。
なので、現在この領域で顕著に活発化していることは十分に注意しなければならないと言えます。
【続報】
活動域となっている範囲を10月12日時点で推定した結果、縦概ね30km程度・横10km程度に拡大しました。最大クラスの規模はM4~5程度で、相次いで発生していて、日を追うごとに活動域が拡大しつつあります。8日以降は減少しているように見えますが、中・長期的に見ると明らかに急上昇していて異例の推移ですので、収束の判断には時間を要すると予想されます。



