2025年11月9日現在の推移状況と今後の可能性をお伝えします。この情報は、日本のどの領域でリスクが高まっている可能性があるのかを記述しています(初見の方はこちらを参照)。
三陸沖で地震が多発していることを受け、様々なデータや科学的根拠に基づいて近いうちにより大きな地震に発展する可能性があるのかどうかを精査しました。
地震活動の状態から今後考えられる可能性
【千島海溝沿いの領域について】5月下旬頃から北海道沖~千島列島沖にかけての千島海溝沿いにおける地震活動が活発化していました。7月20日頃に本震の震源付近でM7.4の前震を始め、最大M6クラスの前駆地震と思われる活動が相次ぎ、最終的に7月30日に海溝沿いの北東端にあたるカムチャツカ沖でM8.8の超巨大地震に発展しました。現在は通常の推移に戻ったと判断しましたが、この海溝沿いでは、暫く静穏期間で、大地震が続発する活動期に突入した可能性があるため注意が必要です。
【日本海溝沿いの領域について⚠】三陸沖の領域における地震活動は10月上旬から11月1日にまで急減少したあと、一気に異常な活発化に転じていることから、現在の推移状況は平常時と比べて明らかな大きな異常と判断しました。また、9月24日~10月中旬あたりまで東北沖のアウターライズ領域で異常な地震活動も見られていましたので、東北沖では今後の活動推移に注意して下さい。今後日本海溝沿いでは、大地震に発展する可能性が相対的に高まっているかもしれません。
【栃木県と群馬県の県境付近の領域・栃木県の高原山付近の北西側の領域】日本海溝沿いの領域の活発化とほぼ同時期に栃木県北部で地震活動が活発化しています。10月下旬から栃木県と群馬県の県境付近の領域で地震が活発化し減少傾向となっている反面、今度は高原山の北西側の領域で微小地震の活発化を確認しました。
【岐阜と長野の県境付近について】10月頃から引き続き活発化しています。この領域では3月11日の東北地方太平洋沖地震をきっかけに、活動頻度がさらに増加した領域となっています。
【静岡県西部の領域について】10月23日頃から静岡県の浜松市付近で発生していた微小地震の活発化はほぼ収束したかと思われましたが、再び活発化傾向となっています。
【大分県と熊本県の県境付近の領域について】11月1日頃から微小地震が急激に活発化していますが、現在は通常通りになっています。なお、この領域では定期的に来る西南日本で活発期に活動頻度が高くなっている領域であることも分かりました。
【有明海の領域について】少し活発化傾向になっています。
【日向灘の領域について】現在は特に変化はありません。日向灘の領域では平均数十年に1回の割合でM7~7.5程度の地震が発生する領域なのですが、現在は活動期であると判断していますので、今後もM7級の地震には注意が必要です。
また、仮に東北地方太平洋沖地震前のような推移を辿っていると判断した場合は、より大きな地震に発展する可能性も考慮します。
【トカラ列島近の領域について】6月~7月に群発地震が発生以降も、平常時よりも地震活動が活発化していましたが、漸く活動収束の兆しが見られます。但し、長期的に見ても明らかに活発化していることは特に変わっていませんので、再び活動を開始する可能性があることは注意が必要です。
| 北海道沖(千島海溝の領域とその周辺) |
現在はカムチャツカ地震の影響として、通常の推移に戻ったと判断しました。ただ、「前兆と疑われる現象が複数」「推移を見ても7月30日のカムチャツカ地震(M8.8)の地震による間接的に影響も受けている可能性がある」ことや、さらに1600年代初頭に発生したようなM9程度の超巨大地震を引き起こす可能性のある時期に入っている領域でもあるため、しばらくは中・長期的な意味で危険度の高い領域と評価しています。今後は規模の大きめの地震が相次ぐ時期になってきていると考えられます。 |
| 釧路沖の一部(大陸プレート内部) |
2020年代に入ってから活発化状態が継続しています。後に起きるカムチャツカ地震の影響も考えられますが、根本的には北海道沖におけるプレート間地震の先行現象の一つだとも考えられますので、近い将来この場所で大地震が起きてもおかしくはありません。 |
| 渡島地方の領域 | 渡島地方東部の領域は、活発化状態が継続中です。 |
| 日本海溝沿い(アウターライズも含む)⚠ | 【プレートの境界やその周辺】三陸沖では最近、1日の平常時の平均発生回数を超えるほど地震を観測する日が、日に日に多くなってきていることが分かりました。現在は岩手県のはるか沖で大きな活発化が見られ、大地震に発展する可能性が否定できない状態となっています(以下で詳細解説)。 【アウターライズ領域】9月24日~10月中旬頃まで異常活発して活動域の拡大も見られ、2011年東北地方太平洋沖地震発生以降は発生リスクが高くなっているため、しばらくは危険度の高い領域として評価。2012年スマトラ島沖地震(Mw8.6)のような前兆的な活動である可能性も想定しています。 |
| 福島県会津(群馬県寄り) | 特に変化はありません。 |
| 栃木県と群馬県の県境付近の領域・栃木県高原山の北西側 | 栃木県と群馬県の県境付近の領域は、10月26日の正午の地震以降、急活発していましたが、現在は減少傾向です。その一方で日本海溝沿いの活動と同時進行するかのように栃木県高原山の北西側で地震活動が急上昇しています。 |
| 房総半島の南東沖 | 9月下旬から活発となっていた領域は収束しました。 |
| 神奈川県の領域 | 特に異常はありません。しかし、箱根山付近では中・長期的に活発化状態です。 |
| 伊豆大島近海 | 特に変化はありませんが、5月頃から活発化状態が継続中です。 |
| 石川県西方沖及び能登半島地震の震源域 | 能登半島地震後は減少しているものの、依然として活発化状態です。現在は減少傾向となっていて、特別異常に活発化傾向になっていたり、静穏化傾向になっていたりはしていません。 |
| 岐阜県飛騨と長野の県境付近 | 特に変化はありませんが、現在も活発化状態です。活発化している領域は3月11日の東北地方太平洋沖地震をきっかけに、活動頻度がさらに増加している状態となっています。 |
| 静岡県西部 | 10月23日頃から活発化している状態でしたが、現在は収束傾向です。 |
| 和歌山県北部付近 | 10月中旬の後半あたりから地震活動が上昇傾向になっています。 |
| 和歌山県南方沖(南海トラフ震源域の一つ) | 数週間前から急減少した後、現在は上昇に転じ始めています |
| 島根県東部 | 特に異常はありませんが、活発化している領域があります。 |
| 山口県北部 | 2月下旬頃から活発化しています。再び活発化傾向となりましたが、現在は静穏状態です。 |
| 日向灘 | 長期的に活発期になっています。8月中旬以降さらなる活発化状態が継続しています。 |
| 大分県と熊本県の県境付近 | 11月1日頃から急活発しましたが、現在は通常通りに戻りつつあります。 |
| 熊本県球磨地方 | 解析を行った結果、2025年夏頃からやや活発化傾向になっていることが分かりました。10月下旬からさらに上昇していましたが、減少に転じ始めています。 |
| トカラ列島近海 | 現在は収束傾向へと進んでいます。長期的には依然として活発化している状態ですので、再び活動を開始する可能性もありますので、注意が必要です。 |
| 奄美大島近海 | 中・長期的に上昇傾向だったのが、最近は急激な低下傾向となっています。 |
| 八重山地方 | 南西側の海域で、少し活発化している様子が見受けられます。 |
地図
北海道


5月下旬あたりから中規模程度以上の地震が相次いで発生していて、長期的に気になる活動が継続していて、カムチャツカ地震(M8.8)以降さらに影響を与えたと思われる活動推移となっていましたが、現在は通常の推移に戻ったと判断しました。なので、現在は問題はないとは思いますが、突発的に起きる可能性もあるので、注意が必要です。
長期的な推移では、釧路沖の大陸プレート内部で地震活動が活発化状態となっています。特に活発化が顕著となったのは、2020年代に突入し始めてからで、恐らくカムチャツカ地震による応力と変動の影響もあると思いますが、根本的には北海道沖におけるプレートの境界付近で発生する巨大地震の先行的な現象として発生している可能性があります。
渡島地方の領域における地震活動の活発化は継続中です。
東北

三陸沖の領域の警戒レベルを最大級に引き上げました。今後大地震に発展する可能性は十分考えられますので、暫くは注意が必要です。詳しくは以下の「三陸沖の活動」で解説しています。
関東

栃木県と群馬県の県境付近での地震活動は減少傾向ですが、栃木県高原山の北西側で活発化傾向になっています。
伊豆諸島北部の活動は中長期的に活発化状態です。
中部北部

特に大きな変化はありませんが、岐阜と長野の県境付近(境峠・神谷断層帯の延長部)で中長期的に活発化している状態と判断しました。近くには焼岳という火山がありますが、現在のところは火山性ではなく断層由来の地震と判断しています。因みにこの領域では、東北地方太平洋沖地震発生以降により活発化状態となっています。
長野県寄りの新潟県上越地方では最近長期的には活発化状態となっていますので、推移状況には注意が必要です(恐らく2024年能登半島地震の影響を受けた可能性)。
能登半島地震の震源域とその周辺では、本震発生後も引き続き収束するまでは注意が必要です。
中部南部

静岡県西部で地震活動は収束傾向でしたが、再活発したため、暫く注視します。
【南海トラフ地震(東海地域)について解説情報を参考】ただちに大地震に発展する特別大きな変化はありません。渥美半島周辺から浜名湖周辺にかけての長期的なゆっくりすべりは、すべりの中心が渥美半島周辺から浜名湖周辺に移動しています。
近畿

和歌山県北部付近の領域で活発化状態は継続中です。
和歌山県南方沖では、数週間前から急減少した後、現在は上昇に転じ始めていますが、ただちに大地震に発展する可能性は非常に低いと思われます。
【南海トラフ地震(東南海地域)について解説情報を参考】2025年初頭から再びゆっくりすべりが見られています。
中国

山口県北部の領域では、2月以前と比較したら依然として活発化している状態で、収束の判断には時間を要します。
四国

特に異常はありません。
【南海トラフ地震(南海地域)について解説情報を参考】ただちに大地震に発展する特別な大きな変化はありません。2019年春頃から四国中部で観測されていた通常とは異なる地殻変動は、すでに収束したと見られています。
九州

大分県と熊本県の県境付近で地震活動が活発化しています。最近、この領域では活発化する頻度が増加し始めてる様子が見受けられます。
長崎県南西部の領域についても中長期的に活発化していると判断したため、追加しました。薩摩地方で一時期活発化していましたが、現在は収束したと見られます。ただ、長期的には活発化しているため、注意が必要です。
熊本地震以降、日奈久断層帯を中心に活発化していて、特に割れ残りとなっているエリアで長期的には活発化している状態となっています。
他にも日向灘の領域で、去年にM7.1の大地震、今年の1月にもM6.6の地震が発生していて、本格的に長期的な活動期に入ったと推定されます。今後、しばらくの間は長期的な意味で大地震が発生する可能性があるので注意です。
奄美・沖縄

トカラ列島近海では現在、収束傾向です。
ただ、長期的には明らかに通常とは異なる活動となっていて、活発化している状態ですので、もう暫くは注意が必要です。
奄美大島近海で緩やかに上昇傾向だったのが、最近は急激に活動が低下しています。
三陸沖の活動


三陸沖北部の領域では、11月4日頃から活発になり始め、11月7日ころになると震源が移動し、さらに悪化する様子が見受けられました。そして、11月9日17時3分頃にM6.9の大地震が発生しました。震源の位置やメカニズムから北米プレートと太平洋プレートの境界で発生した「プレート間地震」と考えられます。
現在の状況だと、今後このまま収束するのか、さらに悪化してしまうのかどうかは不透明です。
ただ今後より大きな地震に発展する可能性があるのかは、以下を理由にある程度判断をつけられると思いましたので、解析を行いました。結果、M8程度以上の震災級の巨大地震に発展する可能性も否定できないと判断し、特別警戒として「警戒レベル3」と評価しました。
- 震源の移動と活動域の拡大が認められたこと
- プレートの境界付近で相次ぐ中規模程度の地震
- 長期的な推移での活発化の頻度が増加傾向であったこと
- 長期的な推移での活発化の頻度が多くなっていること
- 日本海溝沿いの割れ残りエリアで活発化していること
- 東北地方太平洋沖地震の影響を受けた領域であること
- 東北地方太平洋沖地震前の推移と酷似する点が多いこと

